在学生インタビュー

森山 大輔 さん

匿名性を確保しながら個々を識別でき、瞬時に処理できる暗号プロトコルの研究は、選挙などの電子投票の実用化にも重要です。

個人認証に必要な複雑な計算を効率的にできる暗号方式を研究中

ハッキング、クラッキングで暗号が破られた…といった報道がされますが、実際には暗号の実装などに問題があり、その脆弱性を突いたケースがほとんど。暗号そのものを破るのは非常に難しいのです。その中でも私は特に個人認証に利用される暗号について研究しています。 一人ひとりの違いを識別でき、かつ匿名性を保つ電子的な署名は、現状では扱う人数が増えるほど署名が長くなっていきます。これは計算量も増え、処理が遅くなる=待ち時間が長くなるため、実用的ではありません。私は暗号プロトコルの改良によって、人数に比例して計算量が増える、署名が長くなるといった状況を回避する研究を進めています。選挙などの電子投票を実用化するには、こうしたスピーディーな処理が可能な個人認証の仕組みが重要になると考えています。

やる気のある在学生からの刺激
社会人との交流で新たな発見も

この大学院は学部がなく、持ち上がりの入学者がいないので、本当にやる気がある人ばかり。社会人も多く、それぞれの視点、仕事の体験を通じた発言・意見は参考になりますね。また海外の学会で発表できたのもいい経験でした。1年次はすごい速さで時間が過ぎ、研究に使える時間が足りるか少し不安(笑)。今は効率的に計算するためのアイデアを再検討しています。

森山 大輔 さん
2008年3月中央大学大学院 理工学研究科
情報工学専攻 修士課程修了
2008年4月入学
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