在学生インタビュー

中村 伊知郎 さん

流出した情報を完全に削除する方法はありません。そうしたリスクも考慮した、新しい法律のとらえ方を研究しています

修士課程で生まれた情報と法律への興味
その研究のため博士後期課程進学

修士課程で法学的立場から電子投票の実現性を検討。その際、法律における情報の取り扱いについて、より根本的に研究したいと思い、博士後期課程への進学を決めました。たとえば盗まれた手帳なら、訴訟で取り戻す手続きも取れます。しかし流出した情報を完全に削除する方法は、今のところ見当たりません。そうした情報特有のリスクに対し、現行法でどう対処できるのか?その検証が研究テーマ。さらに流出を法的に差し止める手続きでも、審議する法廷は一般公開される矛盾など課題は山積しています。また違う観点では、自然災害などで大きな被害を受けた自治体で、居住者の情報をどう保全するかなど、情報に関する法律を真剣に検討する時代が来ていると実感します。

発想の豊かさ、英語力アップ
人脈の広がりなど得るものも大きい

学長である林教授は企業出身で、米国勤務の経験もあり、知的財産権を含む法律研究の第一人者。私の研究の重要なヒントとして、英米法の視点からのアイディアをいただいたこともあります。また、英文を読むことに苦労している旨を相談したときは、「分からない単語をいちいち調べるより、量を読むこと」と英語力アップのコツも伝授(笑)。
こうした人に直接学び、人脈を広げるチャンスがあることは、この大学院の魅力。社会人学生も多く、セキュリティの仕事に携わるプロの意見を聞き、研究をできたのもよかったですね。

中村 伊知郎 さん
フリーライター&ITコンサルタント
2009年4月入学
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