大久保研究室

大久保 隆夫 教授

大久保 隆夫 教授

プロフィール:
1991年東京工業大学物理情報工学専攻修了。同年株式会社富士通研究所に入社。リバースエンジニアリング、分散開発環境、アプリケーションセキュリティの研究に従事。2006年、情報セキュリティ大学院大学入学、2009年同修了。博士(情報学)。2013年より本学准教授。2014年より同教授。情報処理学会コンピュータセキュリティ研究会専門委員。電子情報通信学会会員、日本ソフトウェア科学会会員、IEEE CS会員。脅威分析研究会幹事、国際会議MW2SP2016オーガナイザー、SEのためのセキュリティ教育検討委員会主査、「東京オリンピック・パラリンピックに向けた交通機関へのサイバーテロ対策に関する調査研究」検討委員会委員・航空ワーキンググループ主査、オープンソースソフトウェアの脆弱性情報管理に関する戦略策定報告書策定委員会委員長。

Q:大久保研究室での現在の主な研究テーマはどのようなものですか?
システムシンキングによるリスクのモデル化
車載セキュリティ
ロボットOSのセキュリティ
Webサイトに対する攻撃トラフィックの検知
機械学習を用いた脆弱性の検知
機械学習を用いたマルウェアの検知

Q:大久保研究室に在籍されている学生の皆さんやOBOGはどのような方々ですか。進学のきっかけや修了後の状況等について教えてください。
大久保研に来られる学生さんは、企業や官公庁に属する社会人の方はほとんどです。社会人学生の方は、研究室でセキュリティについて学び、職場に戻り培ったセキュリティ知識、スキルを職場で生かしてくれる方が多いです。中には、、職場においてセキュリティ技術の指導的な立場に立たれる方や、セキュリティ能力を買われて官公庁の親組織に出向になった方もいます。学部卒の学生さんも、修了後はセキュリティ関係の企業に就職される方が大部分です。

Q:これまでに指導された学生の皆さんの研究テーマについて教えてください。
DevOpsにおける運用を考慮したセキュリティ要求分析
ドローンのセキュリティ
プライバシーを考慮したfingerprintingによるトラッキング対策の研究
機械学習を用いた脆弱性検査方法
マルウェア検知
データセンタのセキュリティ基準の研究
攻撃と社会的イベントの関連性の研究
ゲームのチート対策の研究
不正アクセスポイントの検知
脅威分析手法に関する研究

Q:大久保研究室ではどのような教育をされていますか。ゼミ、研究室ミーティングや個別指導等のスタイルについて教えてください。
ゼミでは、持ち回りで学生が20分の発表を行い、学生同士が積極的に意見交換を行うようにしています。在学中は論文読解(特に英語)、論文執筆能力の基礎力をつけることを重要視しています。また、ゼミの他に2週間に1回程度、指導教員との30分程度の個別指導の時間を確保しています。

Q:どんな経験や関心を持つ学生に進学してほしいですか?
既にそれぞれのセキュリティ専門領域を持っている学生さんもいると思います。専門をより深化させることも重要ですが、近視眼的にならず、ぜひシステム的観点を常に持つようにしていただきたいと思います。システム的観点というのは、多様かつ俯瞰的な観点ということです。セキュリティ専門家でもこの視点に立てる人はまだ少ないですが、社会はそのような人材を必要としています。

Q:大久保研究室に興味を持っている方へ向けてメッセージをお願いします。
大久保研究室では、システムセキュリティというくくりで実態は様々な人が様々な立場で多様な研究を行っています。その結果、ゼミなどでも自分の研究とはだいぶ異なる研究に触れることになります。ですが、それは自分の視野やネットワークを広げるとてもいい機会です。このような場は他では決して得ることのできない体験です。機械学習を使った攻撃検知や脆弱性検知をやってみたい方も、脅威分析をやってみたい方も、組み込みや制御セキュリティをやってみたい方も、大久保研に来ていただき、ぜひこのチャンスを生かしてもらえればと思います。

大久保研究室写真