情報デバイス技術(前期2単位)

教授 松井 俊浩

1.授業のねらい

サイバーセキュリティは、コンピュータを中心とする情報デバイスもリスク源である。これらの情報デバイスの動作原理、特性、プログラミング、内包する脆弱性を学ぶことはセキュリティの学修にとっても重要である。本講義は、基礎技術として情報デバイスを構成する論理素子、コンピュータ、マイクロプロセッサ、またコンピュータが制御するストレージやIOデバイス、それらが一体となった組込デバイス、ネットワーク機器について論ずる。また、組込デバイス演習においては、mbed開発環境上でARMマイコンに各種のセンサーやWiFiモジュールを組み合わせた組込回路を実際に組み立てる演習を行う。

2.到達目標

  • コンピュータアーキテクチャの発達の過程を理解し、さまざまなコンピュータアーキテクチャの特徴がわかる
  • コンピュータの性能を決める要素や高性能化の手法を理解する
  • デバイスが内包するセキュリティ脆弱性を認識する
  • ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェアの特性を理解して、それぞれを適用すべき応用がわかる
  • 簡単な組込デバイス開発が行える

3.授業計画

  1. 4月11日(木) 論理回路
  2. 4月18日(木) 順序回路、スイッチング素子
  3. 4月25日(木) 集積回路
  4. 5月9日(木) コンピュータ
  5. 5月16日(木) マイクロプロセッサ1
  6. 5月23日(木) マイクロプロセッサ2
  7. 5月30日(木) メモリ
  8. 6月6日(木) PCとサーバーコンピュータ
  9. 6月13日(木) 高性能プロセッサと並列計算機
  10. 6月20日(木) ストレージ・周辺デバイス
  11. 6月27日(木) 組込みデバイス
  12. 7月4日(木) 組込みソフトウェア開発
  13. 7月11日(木) 組込みデバイス (演習1)
  14. 7月18日(木) 組込みデバイス(演習2)
  15. 7月25日(木) ネットワークデバイス

4.教科書

定めない。学生情報サービスに掲載する本授業教材PDFを各自で予復習に用いること。

5.参考書

  1. 浜辺隆二、論理回路、森北出版、2008年
  2. David A. Patterson and John L. Hennessy: Computer Organization & Design: The Hardware/Software Interface (Morgan Kaufmann Series in Computer Architecture and Design) , Paperback, Morgan Kaufmann、Fifth Edition、2013年10月10日.ISBN-10: 0124077269. 9,807円
  3. 成田光影(翻訳)、コンピュータの構成と設計 ハードウエアとソフトウエアのインタフェース 第5版(上)(下)、日経BP社、 2014年12月6日、4,536+4,536円、ISBN-10: 4822298426 , ISBN-10: 4822298434
  4. John Hennessy David A. Patterson, Computer Architecture: A Qualitative Approach Fifth Edition, 2011年9月30日、ISBN-10: 012383872X .10,722円. (中條拓伯、吉瀬謙二、佐藤寿倫、天野英晴、訳、コンピュータアーキテクチャ定量的アプローチ第5版、翔泳社 (2014/3/18) ISBN-10: 4798126233、8,964円。
  5. 阪田 史郎, 高田 広章 (編著)、情報処理学会(編集): 組込みシステム IT Text、オーム社、2006年10月、ISBN-10: 4274203107、3,240円
  6. 桑野 雅彦、中森 章 、ARMマイコンCortex-M教科書、CQ出版社、2016.
  7. 勝純一:mbed電子工作レシピ、翔泳社、2016年

6.関連科目

次の科目を履修しておくか、並行して履修することが望ましい。

  • 情報システム構成論
  • インターネットテクノロジ
  • セキュアシステム構成論

また、本科目の履修しておくことは、次の科目の履修にとっても望ましい。

  • 実践的IoTセキュリティ

7.成績評価の方法

各授業の内容について、5分間の選択式約10問の小テストを課す。その合計点で成績を評価するほか、授業への積極的な参加で加点する。欠席して小テストを受けられない者は、6月の授業で指定する課題についてのレポートを提出することで2回分の小テストに替えることができる。レポートは、指定された期日までに提出しなければならない。

8.特記事項

  • 本授業の後半で行う2回の演習では、受講生のWindows PCを教室内のWiFiネットワークに接続し、本学が貸し出す開発デバイスをUSBポートに接続して使用する。受講生は、WiFiネットワークとUSBポートを備えたWindows PCを準備すること。事務局で借りることができる。Mac PCは使えない。
  • また、受講生は、mbed コンパイラを使用できるように、演習授業までにhttps://www.mbed.com/  にアカウント登録し、教員が提供するコミュニティに所属してプログラムを受け取る。方法については、授業の中で説明する。