セキュア法制と情報倫理(後期2単位)

教授 村上 康二郎

1.授業のねらい

情報セキュリティを確保し、情報社会の安定をはかるためには、法制度だけではなく、倫理が実効的に機能することが必要である。法も倫理も規範の一種であるが、情報社会において発生する全ての問題を法制度によって完全に解決することは困難であるため、倫理的な対応も重要である。本授業は、情報セキュリティに関係する様々な問題を幅広く取り上げ、それらについて、法と倫理の両方の側面から、総合的に検討しようとするものである。

2.到達目標

情報セキュリティ関連の法制度や情報倫理に関する基礎的知識を身に着けること、また、情報セキュリティが問題となる具体的なケースについて、自分自身で考え、自分なりの解決策を提案できるようになることを目標とする。

3.授業計画と開講形態

開講形態は別途通知。
本授業は受講者による発表とディスカッションを中心としながら進行する。またゲスト講師を招聘する可能性もある 。

第1回 イントロダクション
第2回 法と倫理の関係、情報倫理
第3回 情報窃盗という概念と倫理性
第4回 知的財産の侵害と救済
第5回 従業員のモニタリングとプライバシー
第6回 自己情報コントロールと個人情報
第7回 言論の自由と情報仲介者の責任
第8回 検索システムの利便性と危険性
第9回 匿名と顕名、オープンとクローズ
第10回 セキュリティのジレンマ
第11回 ネット取引とヒューマン・エラー
第12回 子どものインターネット・アクセス
第13回 セカンドライフとメタバース
第14回 情報社会の現代的課題1
第15回 情報社会の現代的課題2

※順序は変更することがある。

4.教科書

矢野直明=林紘一郎『倫理と法』(産業図書、2008)

5.参考文献

R・スピネロ(林紘一郎監訳=中西輝夫訳)『情報社会の倫理と法』(NTT出版、2007)

6.関連科目

セキュリティの法律実務
法学基礎

7.成績評価の方法と基準

発表内容(50%)、学期末のレポート(50%)によって総合的に評価する。