暗号・認証と社会制度（前期2単位）

教授　後藤厚宏　教授　有田正剛　教授　大塚玲

１．授業のねらい

本講義では、暗号・認証に関しその技術的要点を全般的に把握し、それら暗号・認証技術が現代社会においてどのような場面でどのような役割をになっているか、制度面の課題は何かについて学ぶ。加えて、暗号・認証技術の新しい展開を概観し、将来の暗号・認証のあるべき姿について考察する。社会科学系の学生および暗号・認証の実社会における応用について知見を深めたい技術系の学生を対象とする。（高校程度の数学的および情報科学的な予備知識は前提とする。）

２．到達目標

• 暗号・認証の基礎技術を全般的に把握する。
• 暗号・認証の実社会における役割を理解する。
• 暗号・認証を支える制度を理解する。
• 暗号・認証の将来についてビジョンをもつ。

３．授業計画

第1回 暗号とは

[基礎技術]
第2回 ブロック暗号と暗号利用モード
第3回 ハッシュ関数とMAC
第4回 公開鍵暗号
第5回 デジタル署名
第6回 鍵共有

[社会基盤]
第7回 認証基盤 (PKI)
第8回 電子投票
第9回 個人認証
第10回 匿名ネットワークと監視社会
第11回 ブロックチェーンと暗号通貨

[展開]
第12回 マルチパーティプロトコルの展開
第13回 ビックデータと暗号技術
第14回 IoTと暗号技術
第15回 耐量子計算機暗号

４．教科書

特に指定しない。

５．参考書

• 黒澤 馨、現代暗号への招待、サイエンス社、2010.
• 小松 文子、PKIハンドブック、ソフトリサーチセンター、2004.

６．関連科目

アルゴリズム基礎、数論基礎、計算代数、暗号プロトコル、暗号理論と関連がある。

７．成績評価の方法と基準

到達目標を充足しているかどうかを評価の基準として、期末レポートにより評価する（90％）。なお、質問など授業への積極的な参加も評価対象とする（10％）。