在学生インタビュー

伊藤 公祐 さん

品質管理手法を参考に日本の
物づくりにおけるセキュリティ品質管理の
世界標準規格を作り上げたい。

メーカーが開発する組み込み機器の
セキュリティ調査にも取り組む

私は、メーカーで研究開発と新規事業に携わり、ネットワーク関連企業への転職後は事業企画のほか、研究部門で組み込み機器のセキュリティ調査などを担当。 重要生活機器連携セキュリティ協議会(CCDS)の事務局を務める中、メーカーが製造工程でどの程度セキュリティ対応したかを外部に示せるかに関心を持つようになりました。 メーカーは製品工程でのセキュリティ対応といわれても、必要性は認識しているものの実行に移せていないのが現状。 そこで私がこれまで得てきた知識・経験を体系的に整理し、メーカーの製品へのセキュリティ対応状況の管理に参考となる規格が作れないかと考えIISECに入学。 情報セキュリティ関連規格の多くが欧米発であるのに対し、セキュリティを品質管理に組み入れる試みは、世界中で品質重視と評価される日本メーカーに強みのある分野でしょう。 日本が注力してきた品質管理の中で使える部分は生かし、情報セキュリティの視点で要素を加えるハイブリッドな仕様を考えています。

関連会社や取引先も含めた
製造工程全体のセキュリティを管理

博士後期課程の3年間で、私は「メーカーがセキュアな製品であることを顧客や利用者に示すための品質表示規格」を策定し、メーカーでの自己評価やチェック項目といった製造工程で使えるツールづくりも検討の予定。 製品の製造では関連会社や取引先が作った部品の利用も多く、各社の部品のセキュリティ品質が製品にも重要になります。 こうした規格の策定により、万が一、インシデントがあっても、セキュアな製品づくりをしてきたメーカーの責任範囲が限定されてリスクヘッジができ、新たな物づくりを促す機会になると期待しています。

伊藤 公祐 さん
一般社団法人重要生活機器連携セキュリティ協議会(CCDS)勤務
2018年4月入学
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