在学生インタビュー

ディスインフォメーションが拡散する要因を実験で検証 心理学観点から社会的影響力の軽減を目指す。

自身の研究を専門的見地から検証する

セキュリティーベンダーのラックで、企業・組織向けにセキュリティ対策の提案などを行うコンサルタントとして10数年経験を積み、 4年前に希望して研究部門に異動。大学で学んだ社会心理学を生かした研究をしたいと考えたためで、現在はセキュリティと社会心理学、 国際情勢・安全保障などがテーマです。IISECに入学した目的の一つは、 そうした研究過程での偏りや見落としなどを専門的な見地から検証してもらい、 学問的にも価値のある内容にブラッシュアップすること。また、幅広い科目の中から「法学基礎」「セキュア法制と情報倫理」 といった新たな知識を学んで、自分の視野を広げられる点もポイントでした。

虚偽または誤解を招くような情報の拡散を人へのアプローチで抑制

入学後はラックでの研究をベースに、ソーシャルメディア上のディスインフォメーションの拡散について心理的観点から研究。 人間の心理とセキュリティを研究する稲葉緑先生の指導を通じて、このテーマの何を問題と考え、どう解決するのかなど、 研究の方向性が明確になりました。修士論文では、 「ディスインフォメーションが生む怒り・恐れなどの感情が、同じ志向を持つ集団内に一気に広がることが要因の一つ」 という自身の仮説を実験で検証し、結果をまとめる予定です。その後は博士後期課程で、その社会的影響力を軽減する方法を 研究するつもりで、ディスインフォメーションが生む負の感情の共有を抑制するなど、 個人や集団の行動変容を促す“人に対する”アプローチで解決策を目指しています。

感染リスクを避けつつ勉強ができた

2020年の入学時は1回目の緊急事態宣言の時期。 IISECではすぐにオンライン授業を自宅で受講できるようになり、仕事もテレワーク中だったので、外出時の感染リスクを避けられたのはよかったですね。 その後は自宅でも大学院でも受講できるハイブリッド形式になったほか、学生主催のオンラインミーティングなどで学生同士や先生との交流が深まり、 IISECならではの新たな人脈が広がりました。

中嶋 悠 さん
株式会社ラック勤務
2020年4月入学
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