有田研究室

有田 正剛 教授

有田 正剛 教授

プロフィール:
京都大学大学院理学研究科数学専攻修了、中央大学大学院理工学研究科情報工学 専攻修了。博士(工学)。日本電気株式会社インターネットシステム研究所主任 研究員を経て、2004年4月情報セキュリティ大学院大学教授に就任。

Q:有田研究室での現在の主な研究テーマはどのようなものですか?
暗号理論や暗号技術全般をテーマにしています。最近はとくに、準同型暗号や耐量子計算機暗号を扱っています。準同型暗号は、暗号化したままでの演算を可能とするもので機械学習への応用が活発です。また、耐量子計算機暗号とは、量子計算機にも耐えうる暗号のことを言い、格子や代数的整数あるいは楕円曲線間の同種写像を用いて数学的に興味深い構成が提案されています。

Q:有田研究室に在籍されている学生の皆さんやOBOGはどのような方々ですか。進学のきっかけや修了後の状況等について教えてください。
大学で数学や情報科学を学びさらに大学院で深く研究したい方、また、IT関連企業で技術開発をされていて数理的な内容をより深くじっくり研究したい方、あるいは外国(韓国、マレーシア、中国)から来られてセキュリティ関連企業への就職を目指す方々です。博士課程修了後に大学の教員になった方や日本のセキュリティ関連企業に就職した留学生OBOGもいます。

Q:これまでに指導された学生の皆さんの研究テーマについて教えてください。
準同型暗号の高速化、共通鍵暗号の量子計算機に対する安全性、軽量認証暗号、ブロックチェーンベースのマルチパーティプロトコル、属性ベースの認証方式・鍵共有など多岐にわたっています。研究の方法も理論ベースのもの、調査ベースのもの、また実装ベースのものと様々あります。

Q:有田研究室ではどのような教育をされていますか。ゼミ、研究室ミーティングや個別指導等のスタイルについて教えてください。
まず最初の4か月ほどは暗号理論の教科書を輪講スタイルでじっくり読みます。これを通して数学的な問題のたて方、議論の仕方を身に着けます。その後は学生各自が、自分自身の興味・問題意識で論文をいくつか選び、セミナーで研究室メンバーに内容を紹介します。その過程で次第に自身の研究テーマが生まれ、研究に入っていくという感じです。

Q:どんな経験や関心を持つ学生に進学してほしいですか?
数学的な内容をじっくり考え、細部をおろそかにせず、丁寧に粘り強く考察を重ねていくことが好きな方です。

Q:有田研究室に興味を持っている方へ向けてメッセージをお願いします。
ビックデータやIoTやAIと、この業界はいつも賑やかですが、暗号理論の研究を通して、しっかりした数学力と数理的な技術センスをじっくり身に着けましょう。

有田研究室写真