法学基礎(前期2単位)

教授 村上 康二郎

1.授業のねらい

本授業は、情報セキュリティに関する法制度を理解する前提として、法学に関する基礎的知識や、法的思考力を身に着けることを目指すものである。具体的には、法に関する一般的知識を説明した上で、憲法、民法、刑法といった代表的な法律を取り上げる。さらに、情報セキュリティに関連する情報法、知的財産法の分野も取り上げる。なお、本授業では、人文社会系の学生だけではなく、理工系の学生が履修する可能性も踏まえて、理工系の学生が誤解しやすい点についても配慮するようにする。

2.到達目標

情報セキュリティに関係する法制度を理解する前提として必要となる法的知識やスキルを取得することを目標とする。具体的には、①他の法律系科目を受講する上で必要となる知識の土台を構築する、②研究活動を行う際に必要となる法情報(法令、判例、ガイドラインなど)を自ら収集し、評価・分析することができる、③法的問題について自分なりの解決方法を提案することができることを目標とする。

3.授業計画と開講形態

開講形態は別途通知。
(授業計画)
第1回 ガイダンス:情報セキュリティと法
第2回 法とは何か:法とは何か、法の目的
第3回 法と裁判:法の適用、裁判制度
第4回 法の解釈:法解釈の性質と方法、法の分類
第5回 憲法1:憲法の基本原理
第6回 憲法2:基本的人権総論、基本的人権の限界
第7回 憲法3:精神的自由、経済的自由
第8回 民法1:民法の意義、基本原則
第9回 民法2:不法行為、製造物責任法
第10回 刑法1:刑法の機能、罪刑法定主義
第11回 刑法2:違法性の本質
第12回 情報法1:憲法、個人情報保護法、著作権法
第13回 情報法2:ネット上の名誉棄損
第14回 知的財産法1:知的財産権の意義、種類
第15回 知的財産法2:ネット社会と著作権

4.教科書(学生が履修するにあたって必携のもの)

六法を毎回持参すること。『ポケット六法』(有斐閣)などのコンパクト版でよい。またはノートPC、タブレットなどで参照できるようにすること。

5.参考書

・伊藤正己=加藤一郎『現代法学入門 (第4版)』(有斐閣、2005)
・宍戸常寿=石川博康編『法学入門』(有斐閣、2021)

6.関連科目

・セキュリティの法律実務
・セキュア法制と情報倫理
・個人識別とプライバシー保護
・知的財産制度

7.成績評価の方法と基準

上記の「到達目標」の達成状況を確認するため、最終レポートの提出を求める(90%)。また、講義への参加姿勢も成績評価として考慮する(10%)。