特設講義(クリティカル・シンキングとイノベーション)(前期2単位)

教授 桑名 栄二

1.授業のねらい

クリティカルシンキング(批判的思考法)とは,ひと言でいえば「前提・常識を疑う」「物事を多角的に考える」ということであり,そこからイノベーションも生まれてくる.セキュリティの世界においても,セキュリティビジネス開発の現場,インシデントの予測と防止,対処,分析などにおいて,明示的・暗示的にクリティカルシンキングのアプローチは用いられている.
本科目では,クリティカルシンキングに関連する思考法,イノベーションとビジネスプロセスについての基礎的な専門知識を体系的に学ぶとともに,実例の紹介と分析を通して多面的かつ異なった角度から考える力を養う.テーマの特性上,ディスカッションが中心であり,話題提供者としてゲスト講師を呼ぶ場合がある.

2.到達目標

イノベーションに関するいくつかの理論を理解するとともに,自らが持つ課題について,クリティカルシンキングやイノベーションに関する指標やツールを活用できるようになることを到達目標とする.

3.授業計画と開講形態

授業は対面で行う.講義の一部(*)は,ゲスト講師を招いて行う.講義の内容はゲスト講師の予定や時事的な話題によって若干前後する場合がある.

第1回イントロダクション
第2回クリティカルシンキング1
第3回ロジカルシンキング
第4回事例研究(1)と課題発表1
第5回デザインシンキング*
第6回イノベーション1(イノベーションの必要性)
第7回 事例研究(2)と課題発表2
第8回イノベーション2(イノベーションの方向性)
第9回イノベーション3(イノベーション戦略と手法)
第10回事例研究(3)と課題発表3
第11回イノベーション4(イノベーションプロセス)
第12回ビジネス戦略1(ビジネスエコシステム)
第13回事例研究(4)と課題発表4
第14回ビジネス戦略2(ビジネスポートフォリオマネジメント)
第15回事例研究(5)と全体まとめ

4.教科書(学生が履修するにあたって必携のもの)

特になし.クリティカルシンキングやイノベーションについては,さまざまな文献が出ているので自分にあったものを選択すること.

5.参考書

講義中に提示する.

6.関連科目

セキュリティ経営とガバナンス,リスクマネジメントと情報セキュリティ,情報セキュリティ心理学

7.成績評価の方法と基準

ディスカッションへの参加度と内容(50%),課題発表(50%)から総合的に評価する.