在学生インタビュー

亘理 克好 さん

家庭でも活躍するロボットやIoTの開発に必須の
ミドルウェア。そのセキュリティについて研究。

ますます身近になるロボットに必要なセキュリティ

本田技研工業には長年のロボティクス研究の実績があり、近年は自律制御型やIoTをはじめ、家庭や 街中で利用される機器が市場にみられるようになっています。それと同時に、人や物を傷つけない、 情報漏えいを起こさない、乗っ取りの危険を回避できるなど、セキュリティの担保が大きな課題となって きています。国際規格や法の整備が十分でない中、まずセキュリティの全体像を学びたいと考えた私は、 上司の勧めでIISECに入学。「セキュリティ・バイ・デザイン」の考えにひかれ、大久保先生の研究 室を選びました。

セキュリティが強化されたミドルウェアの注意点

設計段階からセキュリティを組み込んだ開発を行うのがセキュリティ・バイ・デザインで、私はロボティ クス開発で一般的に使われるミドルウェアを、この視点から研究しています。ミドルウェアは少し前にセ キュリティ対応の仕様が公開され、プログラム同士の通信にもセキュアな方式が採用されたため、現在 はその脆弱性の有無や通信速度などを検証。暗号化した通信は暗号化しない場合に比べて最大1/2 の速度に落ちるため、即時のレスポンスが必要な状況には注意が必要と分かりました。今後は自社の 開発でも設計段階からセキュリティを組み込むよう求め、周囲の部署や全社的にも広げたいと考えてい ます。

社内のセキュリティ意識を高める旗振り役に

当社でも全社的にセキュリティを重視し、従業員対象の勉強会などは開かれていますが、業務直結の 内容や顕在化したリスクへの対応に偏りがちです。しかしIISECで学んで、セキュリティは技術からマ ネジメントまで含む広範な分野だと実感。セキュリティ業界にいる先生方や学生、あるいは官公庁など からの得た最新の知見も踏まえ、社内のセキュリティ意識向上の旗振り役も担うようになりたいですね。

亘理 克好 さん
本田技研工業株式会社勤務
2017年10月入学
在学生インタビュー一覧に戻る