セキュリティの法律実務（前期2単位）

客員教授 上沼紫野、客員教授 藤村明子、特定教授 湯淺墾道

１．授業のねらい

ITの利用に対する社会の依存度が高まった今日、情報セキュリティの用語はごく日常的に使われている。その対象範囲は広範にわたるため、そこには当然、法律とのかかわりが発生する。その関わり方は多彩であり、情報セキュリティの確保を要求する法律もあれば、情報セキュリティの確保を目指すことによって阻害されるおそれのある利益を守る法律もある。また、法律によって情報システムの利用が禁止される場面もある。この授業では情報セキュリティに関するさまざまな法律について、実務家による解説と討議を行い、情報セキュリティと法律の多面的なかかわりを理解することをねらいとする。

２．到達目標

情報セキュリティに関する諸問題について法的に検討する能力を身につけ、適切に対処することができるようになることが到達目標である。

３．授業計画（各回毎の内容、もしくは全体方針）と開講形態

開講形態は、原則として対面（教室）で実施する予定である。
おおむね以下の内容により、各担当者のリレー形式により講義やディスカッションを行う（順序は入れ替わることがある）。各回において、個人情報保護法・プライバシー、内部統制、暗号と法、電子商取引、青少年保護と違法・有害情報規制、通信の秘密とプロバイダ責任制限法、不正競争防止法（営業秘密）、著作権法などをとりあつかう。

第1回　（湯淺）情報セキュリティに関する法律の全体像1
第2回　（湯淺）情報セキュリティに関する法律の全体像2
第3回　（湯淺）情報セキュリティに関する法律の基礎1
第4回　（湯淺）情報セキュリティに関する法律の基礎2
第5回　（湯淺）情報セキュリティに関する法律の先端1
第6回　（上沼）電子商取引、青少年保護と違法・有害情報規制等に関する法律①
第7回　（上沼）電子商取引、青少年保護と違法・有害情報規制等に関する法律②
第8回　（上沼）電子商取引、青少年保護と違法・有害情報規制等に関する法律③
第9回　（上沼）電子商取引、青少年保護と違法・有害情報規制等に関する法律④
第10回　（上沼）電子商取引、青少年保護と違法・有害情報規制等に関する法律⑤
第11回　（藤村）情報セキュリティに関する法律①
第12回　（藤村）情報セキュリティに関する法律②
第13回　（藤村）情報セキュリティに関する法律③
第14回　（藤村）情報セキュリティに関する法律④
第15回　（藤村）情報セキュリティに関する法律⑤

４．教科書

六法を毎回持参すること。『デイリー六法』（三省堂）などのコンパクト版でよい。またはスマートフォン等で参照できるようにすること。

５．参考書

講義の際に指示する。

６．関連科目

セキュア法制と情報倫理
知的財産制度
法学基礎
個人識別とプライバシー保護

７．成績評価の方法と基準

到達目標を充足しているかどうかを評価の基準として、期末レポートにより評価する（90％）。なお、ディスカッションなど講義への積極的な参加も評価対象とする（10％）。